暁の護衛〜罪深き終末論〜
キャラ萌えゲー〜シリアス不要論〜
いきなりですが、まずは作品のマイナス要素を。
暁の護衛3部作のラスト、罪深き終末論で指摘したい問題点は3点。
一点目、誤字・脱字・バグの多さ
数箇所程度なら目を瞑りますが、修正パッチ当てても数え切れないくらいあるのはさすがにちょっと。
時間がなかったのか人手がなかったのか、これはもうデバッグしてくださいとしか言えないよ。
二点目、シリアスパートの不完全燃焼。
物語終盤はシリアスパートに入りますが、その内容が急展開かつ端折り過ぎであまりにも不十分。
シリアスパートはそのままエンディングに繋がるので、シリアスやるならしっかりやって欲しい。
三点目、伏線の回収。
1作目と2作目で張っていた数多くの伏線、一応は回収していたようですが、ちょっとおざなりでは?
後付設定というわけではないんでしょうが、ここまで引っ張ったのならもう少し深く掘り下げて欲しかった。
それからこれは分割商法のせいなのですが、期間があいたことで前作までの話があまり思い出せなくて困りました。
シリーズ未プレイの方はまとめて買って続けてプレイすればいいのですが。
以上3点が今作の不満点でした。
しかし、この不満点を凌ぐ評価点も3点あります。
一点目、日常会話。
この作品で最も評価できる点が読み手を飽きさせない日常会話。
キャラクター同士で交わされるテンポのよい会話がとにかく面白いこと面白いこと。
日常会話が面白いといえば「姉しょ」や「つよきす」を手がけたライター、タカヒロ氏のシナリオが有名ですが、
暁の護衛シリーズはそれに勝るとも劣らない面白さがあります。
二点目、かっこいい主人公。
暁の護衛の主人公は強くて優しくて面白くてイケメンです。完璧すぎます。
自分に悪意をもって接してくる、いわゆる“敵”に対しても、普段はとてもフレンドリーに接します。
普通なら接触を避けようとか怒りをあらわにしたりする場面でも、です。
そしていざ敵対したときは容赦なく排除するその強さ。
一見クール気取りのキャラですが、普段はボケ担当というギャップもまた良い味を出しています。
口癖は「俺ってイケメンだからな」
こんなこと言ってても全然嫌味っぽさが出ないのは、この主人公だから成せる業でしょう。
私は優柔不断で鈍い草食系なエロゲー主人公というのが嫌いで、
嫌いな主人公だと作品自体も満足に楽しむことができなくなる場合も多々ありますが、ここまで主人公がカッコイイと作品自体もより楽しめるのだなぁ、と感心しきりでした。
三点目、女の子全員攻略可能。
このゲーム、立ち絵のある女の子ほぼ全員にHシーンがあります。
これは凄い。
今後のエロゲー業界、特にキャラ萌えゲーでは1つの方針にして欲しいくらい素晴らしいことだと思います。
よく「攻略できない魅力的なサブキャラ」が出てくるゲームがありますが、
そういった子が一番好きになったプレイヤーにとっては不完全燃焼のまま終わってしまうよ。
萌えゲーに立ち絵として出すならどんな形であれ攻略させてくれ、というのが私の願いです。
総評としては、素晴らしいキャラ萌えゲー。
1人1人のキャラクターがかわいくて魅力的、それでいて日常会話が面白いとなれば当然文句なし。
ただし3作目のラストに加えたシリアスパートの出来が悪いのは残念です。
最後までギャグで通しても十分の出来だっただけに、ちょっとした蛇足になってました。
シリアスパートを加えるならもっとしっかりとシナリオを練って欲しかったよ。
本当に面白いキャラ萌えゲーにはシリアスなんて不要です。 |