虚ノ少女
いつもどおり雰囲気は最高ですが、内容の濃さは「殻ノ少女」に劣る。
殻ノ少女シリーズ第2部。
当然、第1部に当たる「殻ノ少女」から続き物なので、前作プレイは必須です。
さらに言えば処女作「カルタグラ」の話や人物も出てくるので、そこからプレイしたほうがいいです。
私は過去作全てプレイしていたんですが、如何せん数年前の事だったので、話を覚えていなくて失敗しました。
できればシリーズ通してのプレイをおすすめします。
今作のシナリオはとても長く、1周クリアするだけでも相当時間がかかるんですが、
その割に登場人物の掘り下げが浅く、ちょっと内容が薄いような気がしてしましました。
登場人物が多すぎて全員にスポットが当てられなかった、と言ったほうがいいかもしれません。
決して話がつまらないわけではないのですが、ストーリーの長さに対して内容が薄く感じてしまいます。
それでも1周目であれば未知のお話なのでわくわくしながら楽しめるのですが、
エンディング回収に必要な2周目以降は、同じ話を繰り返すためイマイチ盛り上がりませんでした。
ノーマルエンドを見た後の2周目はシナリオに若干変化が出る、という仕組みは面白い仕掛けだとは思いますが、
元々長いシナリオで差分を入れられるとちょっと辛いなあ、という印象。
前作よりもだいぶ楽になったとは言え、今作も選択肢が多くて攻略が難しいのもネック。
推理モノなのでなるべく攻略サイトは見たくなかったのですが、流石に情報なしでクリアするのは難しく、
フルスクリーンで物語に入り込んでいても、選択肢の度に攻略サイトを確認しなければならず、
物語への没入感が失われてしまうのは残念でした。
分岐の多い推理モノなら、ゲームにフローチャート機能つけて欲しかったです。
(黄昏のシンセミアなどはフローチャートを使って分岐管理などができる素晴らしいシステムでした)
システム面で言えば、修正パッチを当てる前はスキップ速度が遅いため、必ずパッチ当ててからプレイしましょう。
特にこのゲームは2周目、3周目、と周回プレイが必要なので最重要項目です。
シナリオの濃さやシステム面では課題のある作品ですが、
さすがInnocent
Grey、イラストや音楽は最高でした。
今までの作品より若干グロ控えめなのが残念でしたが、その分綺麗なイラストを存分に楽しめる作品になっています。
昔、自分が書いた「殻ノ少女」のレビューを見たら、
「妹とちゅっちゅしたい」しか書いてなくて悲しくなりましたね!
今はもうそんな下心より、妹が幸せになってくれる事だけが願いです。いや本当に。
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