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サクラノモリ†ドリーマーズ

結構怖いホラーシーンと凄くえっちなイチャラブ展開。
予想外の変化球で攻めてくるピーキー性能な投手って感じのゲーム。

最初に良いところを書くと、ヒロイン全員とてもかわいいです。
共通ルートで見せる友達としての表情や言動もかわいいのですが、
主人公と恋仲になった後、恋人としての表情や言動に変わる様子がものすごくかわいいです。
ヒロインの1人、衿坂美冬ちゃんなどは特に顕著で、普段はクールな雰囲気漂うツリ目キャラなのに、
恋仲となると激甘えろえろヒロインになって甘えてきます。超かわいい。
もちろん他のヒロインも負けず劣らず魅力的で、さらにイチャラブ全開なテキストもキャラ萌えを後押しします。
恋人と手を繋いだり、抱きしめたり、キスしたり。
そういった恋人同士のスキンシップが濃密に描かれている点は好印象です。

えっちシーンも大満足。
こういうシナリオゲーは、どうしてもえっちシーンがおざなりになりがちで、
場合によってはエッチシーン不要論まで出てきますが、本作は違います。
むしろ、作品全体を通して一番良いポイントはえっちシーンと言っても過言ではないでしょう。
エッチの最中に手を繋いだり、キスしたりといった細かな描写が入り、
主人公とヒロインがお互いを大切に想っているんだなという気持ちがよく伝わってきました。
1ヒロイン当たりのシーン数は3つくらいですが、1シーンが長めで堪能できます。

本作の物語は前編・後編に分かれており、
前編では要所要所にホラー描写が入ることで、どきどきさせてくれます。
まぁ冷静に見れば滑稽なCGもあるのですが、急に怖いCGが表示されるとびっくりしますね。
主人公とヒロイン達が「サクラノモリ†ドリーマーズ」として殺人事件の真相を追う、という展開も相まって、
程よい緊張感を保ったまま楽しく読み進めることが出来ました。

ここからは悪い所を挙げますと、
先ほどは物語の前編について楽しく読み進めることが出来たと書きましたが、
一方で後編のシナリオはかなり退屈でした。
後編では殺人事件を解決した後、各ヒロインとの個別ルートになりますが、
今作一番の山場である殺人事件を解決した後なので、正直、それ以上インパクトの有るイベントが起こりません。
唯一の例外は桐遠暮羽ちゃんルートで、これぞTrueEndという形のシナリオでなかなか面白かったです。
しかしそれ以外のヒロインシナリオが面白くなく、私は最初に暮羽ちゃんを攻略してしまったことで、
その後は退屈な個別ルートをただ消化するだけの毎日となり、割と苦痛でした。
「終わりよければすべてよし」という言葉がありますが、逆に言えば、
「最初よくても終わりダメならすべてダメ」になるわけで。
私のおすすめとしては一番面白い暮羽ちゃんルートは最後にとっておいたほうがいいです。

ゲームとしては暮羽ちゃんルートを強制的に最後にクリアさせるようにフラグ立てるとか、
全ヒロイン攻略後にどんでん返しの最終章ルートが開くとか、最後に盛り上げる仕組みを作って欲しかったな。

総評として、シナリオゲーとして見ると物語後半の不満点が残る佳作、といった程度ですが、
物語後半のやたらとえっちなイチャラブ展開は秀逸。
ちょっと期待していた方向性とは違いますが、ピーキー性能なエロゲーといったところでしょうか。

この作品には幽霊が出てきます。
同じく幽霊の出てくるゲームとして、その昔「もしも明日が晴れならば」というゲームがありました。
その評価は上記レビューを見ていただければ一目瞭然ですが、私にとってはクソゲー評価でした。
・いきなりヒロインが幽霊として出てきて、主人公に未練タラタラ。
・主人公も幽霊ヒロインに未練タラタラ。
・幽霊ヒロインを選べば他のヒロインに対して酷い扱いをするし、
 かといって他のヒロイン選ぶとさっきまでの未練タラタラはなんだったんだと突っ込みたくなる。
こんな経験もあり、エロゲで幽霊と聞くと、どうにも嫌な思い出になっていて構えてしまう癖があったのですが、
この「サクラノモリ†ドリーマーズ」は幽霊というものに対して正しく向き合っているなあ、と割りと感心しています。

MOON STONE作品は1作目から追っていましたが、マジスキ以来ずっと離れていました。
今作は、今後のMOON STONEもまたチェックしてみようかな、と思うきっかけとなる作品でした。


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